川柳小噺

エッセイをまとめたら17音になった

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最先端

20年ほど前のこと

 

 

私たち家族は官舎の2階に住んでいた

 

 

家族用官舎だったが

 

 

向かいの人は男性の一人暮らしのようだった

 

 

その隣人と話を交わしたことはない

 

 

ある日、夕方玄関をあけたら

 

 

ちょうど隣人が帰ってきたところだったのか

 

 

ドアを開けていた

 

 

家の中が見えた

 

 

息を呑んだ

 

 

積み上げられたゴミ袋や段ボール

 

 

玄関もゴミ袋

 

 

そして入りきらなくなったゴミ袋は

 

 

ついに我が家との共有の踊り場にまで

 

 

侵出を始めた

 

 

ゴミ屋敷の言葉もない時代だった

 

 

画面では伝わり切れぬゴミ屋敷                    毛利由美

 

 

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