単身赴任という言葉が
まだメジャーではない時代だった
父親は転勤が多く
家族もついて回っていた
私は小学校3つ、中学校2つに通った
きつかったのは最後の転校
中二の夏休みだった
すでに友達が決まったクラスに
それも14歳という不安定な時期
最初こそ転校生ということで
珍しがられたが
そのうち無視をされ始めた
名前も覚えてない
学校のこともまだよく分からない
聞いてもスルーされる
まだ「いじめ」の陰湿さが
あまり浸透していないころだったから
転校生はこんなものなのかと
なんとなく頑張れた気がする
中三でクラス替え後
隣の席に座った子と仲良くなり
無視は一瞬で霧散した
多分クラスメイト達は
誰かをターゲットにするゲームを
楽しんでいたのだろう
私の場合
それがクラス替えでリセットできた
転校でゲームオーバーするいじめ 毛利由美