川柳小噺

エッセイをまとめたら17音になった

いじめ

単身赴任という言葉が

 

 

まだメジャーではない時代だった

 

 

父親は転勤が多く

 

 

家族もついて回っていた

 

 

私は小学校3つ、中学校2つに通った

 

 

きつかったのは最後の転校

 

 

中二の夏休みだった

 

 

すでに友達が決まったクラスに

 

 

それも14歳という不安定な時期

 

 

最初こそ転校生ということで

 

 

珍しがられたが

 

 

そのうち無視をされ始めた

 

 

名前も覚えてない

 

 

学校のこともまだよく分からない

 

 

聞いてもスルーされる

 

 

まだ「いじめ」の陰湿さが

 

 

あまり浸透していないころだったから

 

 

転校生はこんなものなのかと

 

 

なんとなく頑張れた気がする

 

 

中三でクラス替え後

 

 

隣の席に座った子と仲良くなり

 

 

無視は一瞬で霧散した

 

 

多分クラスメイト達は

 

 

誰かをターゲットにするゲームを

 

 

楽しんでいたのだろう

 

 

私の場合

 

 

それがクラス替えでリセットできた

 

 

転校でゲームオーバーするいじめ                   毛利由美

 

 

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