川柳小噺

エッセイをまとめたら17音になった

一見さん

天気が良かったので

 

 

少し離れた公園やその街並みを歩いた

 

 

しばらく来ないうちになくなったお店や

 

 

さびれた感漂う路地があり

 

 

変わったなあと思いながら歩いていたら

 

 

『焼きかりんとう』ののぼりが出ている店があった

 

 

見たことがなかったのと

 

 

夫がかりんとうが好きなので

 

 

ふらっと中を覗いてみた

 

 

もちろんからかいでもなく

 

 

美味しそうなのがあれば買うつもりだった

 

 

店に入ると

 

 

「いらっしゃいませ」と女性が二人

 

 

ずずっと前に出てきて

 

 

試食やらお茶やらを出してくる

 

 

・・・

 

 

見えない「圧」を感じながら

 

 

長居してはよろしくないと思い

 

 

なんだか悪いことをしたように

 

 

そそくさと店を出た

 

 

こんな昭和なやり方で店大丈夫かな

 

 

圧で買わせるやり方では

 

 

もう二度と来ないのではないか

 

 

やっぱりお店はリピーターさんあってなんぼでしょ

 

 

一見さんだけでは店は持たない

 

 

一見さんお断りより囲い込み       毛利由美

 

 

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