川柳小噺

エッセイをまとめたら17音になった

無人島のふたり

「自転しながら公転する」の作者・山本文緒さんの

 

 

「無人島のふたり」を読んだ

 

 

膵臓がんと診断されてからの日々を綴ったものだ

 

 

体調の波を淡々と受けとめながら書かれた日記を

 

 

読み進めていく

 

 

残りのページが少なくなって

 

 

命が絶える日が近づくと思うと

 

 

とても切ない

 

 

こんな思いで本を読んだことはなかった

 

 

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会いたい人に会い

 

 

自宅で世話をしてくれる夫との時間

 

 

夫は自分が倒れないように健康を志す

 

 

そして余命宣告の日を過ぎての言葉

 

 

「それにしてもがんって、お別れの準備期間がありすぎるほどある」

 

 

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4月に発覚して9月の日記だから

 

 

たった半年間

 

 

されど半年間

 

 

毎日を数えるように生きるとはこういうことなんだな

 

 

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日記は10月4日で終わっていた

 

 

後書きは1行

 

 

「2021年10月13日に自宅で永眠されました」

 

 

余命宣告受けても余命わからない

 

 

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