川柳小噺

エッセイをまとめたら17音になった

あれから(3)

外観は同じでも

 

 

家の中は地震だった

 

 

部屋の向きや状態でこんなに違うのかと驚いた

 

 

リビングはあまりものがないので目立たなかったが

 

 

ほかの部屋は軒並み中身が出たり配置が変わっていた

 

 

異常事態でメンタルが少しおかしくなっていたのか

 

 

夫の部屋をみて笑ってしまった

 

 

ものを捨てられない夫は本棚もみっちり入り

 

 

その本棚は阪神淡路大震災の教訓で

 

 

突っ張り棒で固定していた

 

 

隙間なく入った本は落ちることも無く

 

 

逆に中途半端に入れていた私の物入れは

 

 

ものの見事にひっくり返っていた

 

 

・*:..。o○☼*゚・*:..。o○☼*゚・*:..。o○☼*゚

 

 

家族全員に一斉メールを送っていたが誰からも返信なく

 

 

結果的にはメールより個々人が帰ってくる方が早かった

 

 

心配していたのは仙台に住んでいた長男

 

 

もともと3/11に帰省すると連絡を受けていたが

 

 

何時に帰るかは聞いていなかった

 

 

もしかして仙台で足止め?新幹線の中?

 

 

そうこう思っているうちに

 

 

長女が帰宅

 

 

リビングに転がっていた地球儀をみて

 

 

>壊れた・・

 

 

ぼそっとつぶやく

 

 

なんだか今日を象徴するような一言だなと思った

 

 

ある時は邪魔になる日もある余白                 毛利由美

 

 

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