近くの四つ辻の一角に住んでいた
ひとり暮らしのおばあさんが亡くなり
しばらく売り家で出していたが
買い手が見つからなかったのか
解体して更地となったのが去年の夏
その後放置したまま秋となり
更地に雑草が生い茂ってぼうぼうとなった
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昨年暮れ、ゴミ出しにその前を通ったら
30代と思しき男性が
小さなカマを持って途方に暮れたように佇んでいた
その日から毎朝
彼はぼうぼうの草を少しずつ刈って
年末には地肌が見えるまでになった
その頃から彼は2人の子どもをたまに連れてきた
5歳、3歳くらいの男の子だ
彼が草を刈る間
子どもたちはスコップで土と遊んでいた
その日の仕事が終わったら
彼は子どもの靴裏をきれいに拭いていた
丁寧でいいお父さんだなと感心した
そして2週間ほど経ち
元通りのきれいな更地に戻って彼は姿を消した
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年齢から見て彼は亡くなったおばあさんの孫だろう
おばあさんが存命の頃は
楽しいおばあちゃん家だったのではないか
そんなことを思いながらゴミ出しに行くと
更地の前に図面を持った男性が女性に説明していた
売れたのかな♬︎♡
結果オーライ
なんだか気持ちが温かくなった
家がなくなっても思い出は残る