川柳小噺

エッセイをまとめたら17音になった

ダッシュ

昨日朝ゴミを出すとき

 

 

いつもは見ない時計を何気なく見た

 

 

そろそろバスが来る時間・・

 

 

ゴミ置場はバス停の先の四つ辻のさらに向こうにある

 

 

ゴミを持って歩いていたら

 

 

ゴミ置場の辺りから猛ダッシュで駆けてくる女性の姿

 

 

どうしたどうした?

 

 

すると四つ辻を曲がってバスがやってきた

 

 

もしかしてバスを追いかけてる?

 

 

無意識に少し歩をゆるめた私は

 

 

頭の中でどうしようどうしよう

 

 

バスを追いかけてないのに止めちゃダメだし

 

 

でもバスに乗ろうとしてたら・・

 

 

ちょうどゴミを持った私がバス停に着く頃

 

 

バスが来る

 

 

彼女と視線を合わせようとしたが

 

 

バスも見ず私の姿も見えてない様子

 

 

仕方ない

 

 

私はバス運転手さんをじっと見た

 

 

運転手さんと目があった

 

 

 

 

ゴミを持った私に

 

 

バスはスルーした

 

 

えええ?

 

 

と振り返ってバスを目で追った時

 

 

バス停から10メートルほど先で

 

 

バスが止まった

 

 

ダッシュの彼女は

 

 

バスがバス停を通り過ぎた後も

 

 

スピードをゆるめず追っていた

 

 

そして止まったバスに乗った

 

 

・・・

 

 

よかった

 

 

それにしても

 

 

彼女めちゃくちゃ早かった

 

 

あんなスピードで走る大人

 

 

ここ何十年も見たことがない

 

 

バス停へこれでも走ってるつもり                  毛利由美

 

 

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